第27回-社会専門112

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問題112 近親者を亡くした人たちのグループを支援する社会福祉士が, グループを相互援助システムとなるように支援するための働きかけに関する次の記述のうち, 適切なものを2つ選びなさい。
1 メンバーが最終的に, 「大切な人を失った私たちは, みんな同じ痛みを抱えている」という波長合わせができるように援助していく。
2 メンバーが最終的に, 自分たちが直面している喪失と悲嘆の問題について, 同じ痛みを抱きつつも, それぞれに事情が異なり, 抱く感情も異なるという意識がもてるように援助していく。
3 メンバーが最終的に, それぞれが抱えている「あのとき, どうしていればよかったのか。何ができたのだろうか」という過去の行動に焦点を当てて, メンバー間の人間関係を深めていけるように援助していく。
4 メンバーが最終的に, それぞれが自身の感じている痛みを語り, 互いにそれを受け止めて受容的にかかわることができるように援助していく。
5 メンバーが最終的に, グループワークの中で生まれてきた役割やリーダーシップ, フォロワーシップを大切にし, 最初に現れたリーダーを核にしたグループになるように援助していく。

悲嘆ケアといグループワークに関する事例問題ですね。原則に則っていけば解けた問題だと思います。

選択肢1 誤り。同じ痛みは抱えているかもしれませんが, その感じ方, 乗り越え方は個別性があるものだと思います。グループワークにおいても個別性の原則は守られるべきなのでこれは間違っていると思います。

選択肢2 正答。選択肢1の解説を参考にしてください。

選択肢3 誤り。グループの経過の中で過去の後悔を語り合う時間は必要かもしれません。ただ, そのことを目的としたり, それによって人間関係を深めるというのは誤ったアプローチだと思います。

選択肢4 正答。必ずしも「語る」必要はないと思いますが, これかなあという感じの選択肢です。他のメンバーからの受容的な関わりによってグループ全体の支えあいを支援していく姿勢が必要かと思います。

選択肢5 誤り。悲嘆ケアのグループワークにおいて, リーダーシップを過度に意識したりはあまりしないと思います。その構造は固定的なものではなく, あくまでグループの成長に合わせて話し合いながらいくものでしょうね。

はい今日もここまでー。やはり一日3問くらいがちょうどいいですねえ。

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