第27回-社会専門119

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問題119 社会福祉法人の会計や財務諸表に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 社会福祉法人は, その会計や財務諸表をインターネットや広報などにおいて公表する必要はない。
2 貸借対照表とは, 事業の収支の状態や継続性をみるために, 当該会計年度における支払資金の増加及び減少の状況を表示するものである。
3 資金収支計算書とは, 資金の調達や資産への投入状況をみるために, 当該会計年度末現在における資産, 負債及び純資産の状態を表示するものである。
4 財務諸表では, 「土地」のように価値が上下する資産については, 毎期一定の方法により償却計算を行わなくてはならない。
5 社会福祉法人には, 配当 (利益処分) が認められておらず, 「過去の利益の蓄積額」は, 赤字経営をしない限り増加する特性がある。

さて, 3年目のこの科目。だいたい出題パタンがつかめてきたかなあ。やっぱり3年分過去問やっておくと6割位は取れるようになってきますねえ。

選択肢1 誤り。これは知らなかった。社会福祉法人は公益性が高く, その経営の透明性が求められることから, 法人の会計や財務諸表をインターネット等を通じて公表することが義務づけられています。

選択肢2 ・3誤り。これは互い違い問題です。貸借対照表, 事業活動収支計算書, 資金収支計算書を財務三表といい, 法人の経営状態をみるものです。今後も出題されそうなのでしっかり理解しておきたいですうね。いろいろググってみました。
ざっくりいうと,
貸借対照表は法人が, 資金をどうやって集めて, どのような形で保有をしているかを表すもの
資金収支計算書は, 現金等が, 今どのくらいあるかというもの
事業活動収支計算書は, 減価償却を含めて, 資産の増減を表すもの

と考えればわかりやすのではないでしょうか。

選択肢4 誤り。償却計算とは, 有形固定資産を取得して使用を開始した時から使えなくなる時までの, 使用可能であろう期間を耐用年数を含めた資産価値を計算することです。例えば, 30年間の耐用年数の施設は, 元々1億円の価値があっても毎年少しづつ資産価値が落ちていきますよね。土地は, そういう性格をもっていないので, 非償却資産に位置づけられています。

選択肢5 正答。株式会社と異なり, 公益に資することが目的の社会福祉法人は資産の配当が禁止されています。これは, 給料を増やしてはいけないという意味ではなく, 理事などが金儲けをして, それを分配してはいけないという意味です。事業収入は次の公益事業に当てるという原則があるため, 堅実な経営をしていれば, 内部留保は次第に増加していく傾向にあります。まあある程度たまっても施設の建て替えなどにも使用できるのでどんどんお金が溜まっていくというわけではないでしょうけど。。

これは結構しんんどい問題でしたねえ。今日はあと2問がんばりまっしょい。

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