次のうち, 電気けいれん療法を用いるものとして, 適切なものを2つ選びなさい。
1 適応障害
2 統合失調症
3 うつ病
4 心気障害
5 全般性不安障害
これは, 必ず解いておきたい問題ですね。電気けいれん療法は, ECTと言われる治療法で, 頭部に電極を当ててけいれん発作を誘発する治療法です。
なぜけいれん発作が症状の軽減に役立つのかについてはいろいろなアプローチがされているのですが, 詳細には分かっていない様子です。元々「てんかん患者は統合失調症にならない」という思い込みから始まった治療らしいです。クロルプロマジンなどの抗精神病薬ができるまでは, 精神科医療の中でメインの治療の1つだったのですが, 懲罰的な意味で行われることもあったらしく, その非人道性からずいぶんと廃れていました。長期入院のクライアントから「昔は, 悪い事したらすぐビリビリされよったんじゃ」という言葉も聞いた事があります。
近年その有効性が見直され, 麻酔科医師の協力の元, 筋弛緩剤を使用したけいれんを伴わない無けいれん療法などが行われています。診療報酬は麻酔科医の協力があれば3,000点と精神科専門療法の中では非常に高く設定されていますが, 単科の精神病院ではなかなか難しいですね。
薬の効きにくい難知性の統合失調症や, 重度のうつ病のクライアントにとっては大切な利用法の1つです。また, パーキンソン病にも使われる場合があります。
よって解答は, 2,3です。