第25回-精神専門8

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次のうち, 環境・社会療法に含まれるものとして, 正しいものを1つ選びなさい。

1 作業療法

2 内観療法

3 森田療法

4 箱庭療法

5 認知行動療法

これも解けた人が多いかなあと思います。知らなくても漢字の意味でなんとか解けた人がが多いのではないでしょうか。しかし, 今回の問題は治療法ばっかりだなあ。バランス悪いと思うけど, 科目名から見てもこの方向は続くのでしょうね。。

まず, 環境・社会療法とは, クライエントが生活する環境を治療的なものに整えたりするもので, 簡単に言うと生活や治療やリハビリテーションが包括的に行われているものと考えればいいかなあと思います。

例えば, 精神科デイケアもそうですね。生活の場がすなわち治療やリハビリの場になっているようなものです。

そういう意味では, 選択肢は1 と考えるのが妥当です。

選択肢1 の作業療法は, 日本においては呉秀三加藤普佐次郎らが普及させた治療法です。仕事, 遊び, 余暇そういった生活の全てを作業として捉えます。日本では1974年から診療報酬化されていますね。環境社会療法の定義に当てはまっています。

選択肢2の内観療法は少しマイナーな治療法です。吉本伊信が創始した日本独自の治療法で, 1)してもらったこと 2) して返した事 3)迷惑をかけた事などを想起し, 自己理解を助ける治療法です。アルコール依存症や, 非行少年を対象として行うことが多いとのことです。ロールレタリングなどと似ていますね。

選択肢3 これはさきほどの問題7にあるので割愛します。やはりなんで森田療法が2回も出てくるのか意味がわかりませんね。問題数10問で全体を網羅した内容にするのは難しいのは分かっていますが, 同じ選択肢が出てくるのはちょっとひどいと思います。

選択肢4の箱庭療法は, ローエンフェルトカルフらが体系化した治療法です。おもちゃや砂などがある箱庭の中で自由に表現してもらうものです。治療以外にも診断的な意味合いで利用することも多いです。日本ではかなり普及しています。ついでに遊戯療法のアンナ・フロイト, メラニー・クラインも覚えておいたほうがいいと思います。

選択肢5 の認知行動療法もさっきほどと被っていますので, ちょっと少なめに。代表的な認知行動療法には, SST (社会生活技能訓練) などがあります。これは日常生活技能訓練として診療報酬化されているので要注意ですね。

ではでは今日はここまでー。

 

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