第25回-精神専門9

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次の記述のうち, うつ病患者が「職場が原因なのですぐに退職したい」と相談に来たときに, 精神保健福祉士がまず行うべき対応として, 正しいものを1つ選びなさい。

1  職場の配置換えの交渉を促す。

2 気晴らしに一人旅をするように勧める。

3 気持ちをしっかりと持つように励ます。

4 退職の意思を確認した上で退職を勧める。

5 症状が改善するまでは決めないように勧める。

近年多い, 事例系の問題ですね。うつ病のクライアントに関する精神保健福祉士の基本的な姿勢を問う問題です。これも解けた人が多いのではないでしょうか。

これはまず正答は選択肢の5です。

うつ病の場合, 大きな決断を下す事は避ける様にするのが原則です。傷病手当などの諸制度を利用したりしながら, 冷静な状態での自己決定を支えるのが援助の原則と言えるでしょう。人が物事を決める時には多くの負荷がかかります。極端な例ですが, 「今日なにが食べたい?」と言われるよりも, 「お肉と魚どっちがいい?」と聞かれた時には後者の方が心理的負荷は低いと思います。

一応その他の選択肢についてもチェック。

選択肢1  職場の配置換えの交渉を促す

→これは確かにストレス回避の1つの方法かもしれませんが, それが困難だから追いつめられていると考えられるので安易なアドバイスだと思います。

選択肢2 気晴らしに一人旅をするように勧める

→ノーコメントです。。。出題の意図が意味分かりません。

選択肢3 気持ちをしっかりと持つように励ます

→うつ病のクライアントはがんばってがんばった結果が症状として出現していると考えれば, そこの状態からさらに「励まされる」ことがどのような意味を持つのか検討する必要がありますね。励ましは禁忌が原則です。

選択肢4 退職の意思を確認した上で退職を勧める

→選択肢5の説明とも被りますが, 自己決定の尊重を行う上で, 表出されたニーズがすなわちそのクライアントの本当のニーズなのかを考える必要がありますよねー。

事例問題の解説は難しいですねー。事例問題が苦手な人は, いろんな人と相談しながら解く訓練を何回かやれば飛躍的に上がります。是非試してみてください。

 


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