第25回-共通科目10

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集団の社会心理に関する次の記述のうち, 最も適切なものを1つ選びなさい。
1 ホーソン効果とは, 集団作業において, 物理的環境条件が悪化すると生産効率が低下することをいう。
2 リーダーシップのPM理論によれば, 集団内の人間関係の維持機能が優先されて, 業務目標の達成への働きかけの弱いリーダーシップ型は, PM型に分類される。
3 同調とは, 社会的行動のなかで, 一人で作業するよりも他の人と一緒に作業しているとき, 作業効率が向上することをいう。
4 集団規範とは, 集団を一つにまとめる作用をする力のことであり, 対人魅力と社会的魅力に分けられる。
5 社会的手抜きとは, 集団で課題に取り組み, それぞれの人がどのくらい努力したかが目立たない状況だと, 一人当たりの遂行量や努力が低下する現象をいう。

社会心理学からの問題です。これはなんとか解いておきたいですねー。

選択肢1 ホーソン工場の実験は社会学でも有名ですね。この実験は, 「人は一般的に関心を持つ人や期待する人の心に応えようとする傾向がある」というのが肝です。つまり, 経済環境の調整よりも上司からの信頼や関心が生産性を高めます。これは主治医とクライアントの関係にも応用されるそうです。

選択肢2 三隅のPM理論も有名です。三隅はリーダーシップの類型でPM理論を提唱しました。彼の理論によると, リーダシップは, P機能(パフォーマンスの頭文字, 目標達成能力)とM機能(メンテナンスの頭文字, 集団維持能力)により成り立っているとしました。そして両者の大小を英語の大文字小文字で示しています。P機能M機能ともに高い水準の場合集団が非常に発展的です。これがPM型。選択肢をあてはめると, pM型になりますね。誤り。

選択肢3 この選択肢は社会的促進の説明です。作業中に他者が存在するときに単純作業の場合は社会的促進, 複雑な作業の場合は, 社会的抑制が起こるとされています。同調は, 判断・態度などを, 他者, あるいは集団が提示する標準や期待にそって, それらの標準と同一あるいは類似の行動をとることです。アッシュの同調実験が有名ですね。

選択肢4 この選択肢は集団拘束性の説明ですね。集団規範は, 集団内において大多数の成員が共有する判断の枠組や思考様式のことです。

選択肢5 これが正答。社会的手抜きは, 人間以外にもアリやミツバチなど社会性を持つ昆虫などでも見受けられる現象です。

今日はここまでー。


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