第25回-共通科目12

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臨界期に関する次の記述のうち, 最も適切なものを1つ選びなさい。
1 推定11〜12歳で発見されたアヴェロンの野生児は, 医師イタールによる熱心な教育の結果, 基本的生活習慣のほか同年齢の子どもがもつ言語能力を身にづけた。
2 乳児期に白内障などにより視力を失った人が, 成人期以降に開眼手術で目が見えるようになると, 物の形を認識することもできるようになる。
3 ハイイロガンのヒナは, 聯化直後の臨界期に出会った運動体に対して, 後追い行動をする。
4 未成熟な人格であれば, 神経回路の再組織化は比較的容易になされるが, 臨界期を過ぎると困難になる。
5 乳児期において何らかの原因で, 長時間, 片眼が閉じられた状態に置かれた場合であっても, 永続的な弱視になるようなことはない。

発達に関する問題第二弾ですね。かなりの難問ですが, 選択肢3が比較的選びやすかったので, 正答した人は多かったかもしれません。

臨界期は, 一生のうちで一度しかありません。脳はインプットが少ない神経回路は脱落し, インプットされる情報が多いほど回路が強化される仕組みをもっているため, 「臨界期」までに一度も使われなかった脳細胞は一生必要ないと判断され, 臨界期を越えた時点から消滅していく運命にあると言われています。

選択肢1  これは言語に関する臨界期の説明です。野生児は言語環境のない環境で育ったため, 言語の臨界期を超えてしまっていたためその後言語を操ることは出来ませんでした。誤り。

選択肢2 これはイギリス経験主義のロックが空白の石版(タブララサ) の理論において説明したロジックですね。その後の研究で彼の正しさは実証されました。選択肢の内容では, 視覚の臨界期を過ぎてしまっているので認識できません。

選択肢3 これが正答です。プリンティングは結構有名ですね。

選択肢4 これは難しい問題でした。神経回路の再組織化とは, 「脳の損傷などにより遮断された回路がその他の脳部位などを利用して回復する」みたいなイメージで捉えておけばいいと思います。これは臨界期とは関係ないのではないかと思います。ちょっと自信ないなあ。。。

選択肢5 これも誤り。視覚の臨界期を超えているのでなんらかの後遺症が考えられます。弱視になる例が散見されていますね。

かなり難しい問題でした。この問題はちょっと自信ないのでまた復習しますー。

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