第25回-精神専門12

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精神疾患や精神障害の正しい理解の普及や啓発に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。

1 メンタルヘルスリテラシーとは, 精神障害に関する差別や偏見のことである。

2 ビヨンドブルー (beyond blue)とは, オーストラリアの発達障害啓発キャンペーンである。

3 タイムトゥーチェンジ (Time to Change)とは, アメリカの精神障害アンチスティグマキャンペーンである。

4 統合失調症とは, 日本で神経衰弱を呼称変更したものである。

5 「こころのバリアフリー宣言」とは, 厚生労働省の示した, 精神疾患を正しく理解し, 新しい一歩を踏み出すための指針である。

設題1〜3 については中央法規のテキストにはほとんど載っていないみたいです (索引でしか調べてません)。ちょっと難易度が高い問題ですね。しかし, 設題5の「こころのバリアフリー宣言」は必須事項ですのでこれさえ覚えておけばという感じですね。

こころのバリアフリー宣言は, 精神疾患に対する「関心」, 「予防」, 「気づき」, 「自己・周囲の認識」, 「肯定」, 「受容」, 「出会い」, 「参画」など8項目の目標を挙げた指針です。精神疾患はいつ誰がなってもおかしくないものとして, その予防や共生社会を目標とするものという考え方を周知するするために作成された物です。共生社会については重点施策実施5か年計画において, 世代全体の周知に関する数値目標50%以上としていることにも留意ですね。

選択肢1 メンタルヘルスリテラシーは, メンタルヘルスに関する総合的な知識をづけてそれを精神的健康に役立てる行動のことを示します。荒っぽい例えですが, 朝の腹痛をただの体調不良と見なすか, 仕事のストレスと見なすかによって対処方法は変わってきますよね。

選択肢2 ビヨンドブルーこれは英語の得意な人であれば分かったかもしれません。直訳すると「憂鬱を超えて」。これはオーストラリアのうつ病の啓発運動を指します。

選択肢3 タイムトゥーチェンジは, かなり難易度の高い問題だと思います。テキストにも載っていませんでしたし, ググっても競馬ばかり。。。なんとか海外サイトで見つけました。

time to change 

つたない英語で調べたのですが, 設問中の精神障害アンチスティグマキャンペーンは合っているみたいです。間違っているのはこれはイギリスのキャンペーンということですね。

選択肢4 は簡単です。統合失調症は元々精神分裂病とと言われていました。精神分裂病では「理性が崩壊する病気」と誤って解釈されてしまうケースが多かったので, まず医学用語として改められ, 法制度上は精神保健福祉法2004改正に変更になっています。

選択肢1〜3は今後の国家試験でも出題される可能性があるので注意が必要ですね。

 

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