第25回-共通科目26

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我が国の若年者の生活の現状と政策に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 高卒者の新規採用については, 1980年代までに, 「実績関係」と呼ばれる企業と学校との連携が確立し, その後も関係が強化されてきたためず現在は高卒無業者問題は解消している。
2 OECDの報告によると, 高等教育への公財政支出の対GDP比は, OECD諸国の平均を下回り, 国公立大学の平均授業料についても高いグループに属する。
3 近年の若年者非正規雇用比率の高さは, 実際には女性の非正規雇用比率の高さに規定されているものであり, 「平成19年就業構造基本調査」 (総務省) によると, 20歳〜24歳での男性の正規雇用比率は80%を超えている。
4 若年者内部での経済格差は, 正規雇用労働者と非正規雇用労働者の問での結婚意欲の差異としても現れ, 「第13回出生動向基本調査」 (平成17年, 国立社会保障人口問題研究所) によると, 特に女性において顕著な差異が観察された。
5 いわゆるニートなどの若者の職業的自立を支援するための拠点として, 政府は「地域若者サポートステーション事業」を実施し, この事業による就職等進路決定者を2020年までに100万人にする目標を掲げている。

この問題はなんとか解けた人が多いのではないでしょうか。

選択肢1 誤り。このページが参考になりました。「実績関係」は, 「継続的な取引関係の中で, 信頼を基礎に確実性の高い情報の交換によって雇用-採用-職業紹介の安定化をはかるネットワークであり, 関係の継続性の中で一方の行動を他方が制御する規範を伴った関係」と定義されるそうです。つまり, 付き合いの長い高校と企業の間では, 高校は企業が望む生徒を送り出し, 企業は高校から送られてくる生徒を採用するという信頼関係があり, これは高校生を学校から職業へスムーズに移行させる有効な装置として機能してきたということです。しかし, この制度は指定校推薦のようなもので, メリットとデメリットがあるものですね。選択肢の中の「高卒無業者問題は解消している。」は誤りでしょう。

選択肢2 正しい。このページを見ると, 「日本は, 高等教育に対する公財政教育支出の対 GDP 比が OECD 加盟国中最も低い国の一つであり, OECD 平均が 1.1%であるのに対し, 0.5%にとどまっている」と記載されています。国公立の大学の授業料もトップクラスですね。

選択肢3 誤り。こちらの非正規雇用率の数字をみると, 80%が正規雇用ってのは違いますね。まあ実感としても分かったのではないでしょうか。それだけいたらニートとかフリーターが問題になる訳がないですねー。

選択肢4 誤り。このページが原典です。男性では就業の状況によって結婚意欲が異なるという結果が出ています。古典的な意識かもしれませんが, やはり男性は非正規雇用の場合はなかなか結婚するという選択をすることが難しいのかもしれませんね。

選択肢5 誤り。「地域若者サポートステーション事業」とは, 厚生労働省と地方自治体が協働し, 働くことに悩みを抱えるニートなどの若者の職業的自立を目指し包括的に支援する事業です。若者支援の実績やノウハウを持つ地域のNPO法人などが運営する「地域若者サポートステーション」(愛称:サポステ)を設置し, キャリア・コンサルタントなどによる専門的な相談や, 協力企業による就労体験など, 多様な支援策を提供しています。この事業では, サポステを平成25年までに160カ所としています。具体的な人数は6万人, 2020年10万人としています。100万人はあまりにも多すぎですねー。

うーむ。やはり難しい。どこまで覚えていいのやらという感じですね。。

 


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