第28回-精神専門64

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問題64 Kさん (38歳, 女性) は, 入退院を繰り返す中で, すっかり退院への自信もその後の生活への希望も失っていた。その時, 一足先に退院したLさん (40歳, 女性) が通院の度に声をかけてくれ, 新たに始めたアパートでの生活について楽し そうに話してくれた。その後, Kさんも退院と同時に一人暮らしを始めた。地域での生活に慣れてきたKさんは, Lさんのように, 同じ病気を有する人の役に立ちたいと思い, 通院先で担当のM精神保健福祉士にそのことを話すと, P市があるスタッフを探していると教えてくれた。そのスタッフとは, 退院に不安を持つ入院中の人を訪ねて, 同じ経験を持つ人の立場から, 退院に前向きな気持ちになれるように支援するものであった。次のうち, そのスタッフにふさわしい名称として, 適切なものを1つ選びなさい。
1 ジョブコーチ
2 ゲートキーパー
3 ケアワーカー
4 スーパーバイザー
5 ピアサポーター

これは, サービス問題ですね。一応チェックしておきましょう。

選択肢1 誤り。ジョブコーチは就労を希望する障害者を支える存在です。こちらの問題をしっかりチェックしておきましょう。

選択肢2 誤り。ゲートキーパーは, 周りの人の異変に気づき, 行動する人のことで, 自殺予防のためのキーマンとされています。

選択肢3 誤り。ケアワーカーは一般的には介護福祉士のことを指します。

選択肢4 誤り。対人援助職職としての資質の向上を目指す技法の一つにスーパービジョンがあります。スーパービジョンでは, 支援する側のスーパーバイザーとスーパーバイジーとの相互作用で行われるものです。

選択肢5 正答。当事者同志のつながりという意味では, こちらが最も正しいと思います。このピアサポートは, 同じ症状や悩みをもち, 同じような立場にある仲間=英語で「peer」(ピア)=が, 体験を語り合い, 回復を目指す取り組みのことを示します。研修制度も充実してきて, その役割は次第に増加しています。

カテゴリー: 第28回精神専門科目, 精神保健福祉に関する制度とサービス パーマリンク