第28回-精神専門76

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問題76 Dさんは, 精神科病院を退院し, 単身生活を継続して10年になる。退院当初は一般就労を試み, 必死になって, 発病前の生活スタイルに戻そうとした。し かし, 1年前に, デイケアで知り合ったEさんが, 自分に合った暮らし方をしている姿を見て, 「これだ」と思った。ただ一方で, 迷う気持ちもあった。そこで, 退院して以降, 継続的に相談をしているF精神保健福祉士に対して, 自身の思いを吐露した。すると, F精神保健福祉士は, 「人は社会生活をする中で, 多くの事柄に遭遇し, 以前とは異なる暮らし方になることもあるでしょう。でも, 大事なこととして, 人は置かれている現状の中で, いかに自らが納得できる, 自分なりの生き方を見いだせるかが重要だと思うんです」と話した。 次のうち, F精神保健福祉士がDさんに話した生活支援の理念やモデルとして, 適切なものを1つ選びなさい。

1 IPS (Individual Placement and Support) モデル
2 リカバリー
3 クラブハウスモデル
4 ジョブコーチモデル
5 ソーシャルファーム

よほど経験を持ってないと, なかなかこんなセリフは言えませんねえ。というのが第一印象の問題ですが, 誤ってはいません。事例問題というかただの用語問題ですね。

選択肢1 誤り。IPSは,米国で1990年代前半に開発された就労支援モデルです。あまり出題されていなかったですが, これから出題されるかもしれません。大事な部分は, 「IPSは,従来の職業サービスと違い,職業準備性ができている,できていないなどの判断をしない。」「症状が重いことを理由に就労支援の対象外としない」などのところかなあ。
事例には就労支援に関してのニーズは登場していないので当てはまっていないと思います。

選択肢2 正答。リカバリーは, 症状をなくしたり, 元々あった生活を取り戻すことではなく, 「自分が求める生き方を主体的に追求すること」です。事例と合致していると思います。

選択肢3 誤り。こちらを参考に。クラブハウスモデルは, 1940 年代のアメリカ・ニューヨークで始まった精神障害者の自助活動による相互支援を基盤にした活動です。日本には数が少ないですけど, 世界27 カ国300 か所以上にまで広がっています。過去何回か出題されています。精神障害者たちが入院せずに暮らして, その社会的・経済的・職業的目標を達成するのを支援し ていく自助組織です。事例とは少し遠いですね。

選択肢4 誤り。ジョブコーチは何度も出ているので説明は割愛します。今年も何回も出題されていますね。事例とはぜんぜん違いますね。

選択肢5 誤り。自分コピペ。ソーシャルファームと は, 特に障害者や労働市場で不利な立場にある人のために安定的な雇用と賃金を確保する, という社会的な目的をもって活動している企業や組織を指します。つまり, 障害者や労働市場で不利な者にとっては「福祉的雇用」でも「一般雇用」でもない, その中間に位置するいわば「第三の雇用」とも言われています。事例とは離れていますね。

今日はここまでー!

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