第26回-精神専門3

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問題 3 修正型電気けいれん療法に関する次の記述のうち, 正しいものを2つ選びなさい。
1 直前に十分量の水分を摂取させる。
2 精神疾患に限られた療法である。
3 局所麻酔下で行う。
4 副作用として健忘がみられることがある。
5 けいれんを認めなくても効果がある。

電気けいれん療法は頭部 (両前頭葉上の皮膚に電極をあてる) に通電することで人為的にけいれん発作を誘発する治療法で, ECT電撃療法とも言われます。過去は非人道的な治療として非難されていましたが, 近年はその効果について見直され, 重度のうつ病難治性の統合失調症, まれにパーキンソン病などでも使用されています。麻酔科医師の協力の下で行うと, 3000点の診療報酬が算定されることも必須の知識ではないでしょうか。

昨年も出題されているので, こちらも参考にしてください。

選択肢1 誤り。これについては, なかなか確証のあるページも見つけられなかったのですが, 一般的に全身麻酔の前は, 絶飲食だと思います。

選択肢2 誤り。パーキンソン病などの神経疾患にも適応がある治療法です。

選択肢3 誤り。脳部位に電極をつけることからも, 全身麻酔が原則となっています。そのため, 麻酔科医が必ず必要なので総合病院でもないとなかなか施行できない治療法と言えますね。

選択肢4 正しい。電気けいれん療法の副作用は, 短期的には頭痛・筋肉痛・めまい・嘔気などが挙げられます。短期的な健忘記憶喪失なども起こりやすい副作用の1つです。

選択肢5 正しい。筋弛緩剤で筋を弛緩させて, 麻酔科医が人工呼吸等を含めた呼吸管理, 循環動態の観察を行いながら頭部に通電する「無けいれん電気けいれん療法」が行われることもあります。

ニッチなところをついてくる問題ですが, この問題は, 覚えている知識をもとに, よく考えて解けばなんとか解答できたのではないでしょうか。さて, 今日はここまでー。大分リズムに乗ってきました。

毎日更新を心がけて行きます。誤字や間違いがいがあったら教えてください!

 

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