第26回–共通科目14

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問題14 心理療法に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 動作療法(臨床動作法)を高齢者に適用するとき, 筋力をつけることが重要な課題となるので, リラクゼーションを促進する必要はない。
2 内観療法は, 身近な人を対象として「してもらったこと」「して返したこと」「迷惑をかけたこと」について内省し, 不安や苦悩を「あるがまま」に受入れていく。
3 行動療法では, 恐怖症のような不適応行動を誤って学習された行動と考え, それを修正するための再学習を行うことが重要である。
4 精神分析療法では, クライエントの自己洞察を深めるため, 過去の外傷体験に関する暴露療法がよく用いられる。
5 心理劇では, 治療者の受容的・共感的態度に支えられ, 防衛機制の理解のために夢の分析を行う。

さて, 心理学最後の問題です。心理療法に関する問題はここ数年毎年出題されています。選択肢は結構基本的な内容なのでしっかり覚えておきましょう。昨年のこちらも参考にしてください。

選択肢1 誤り。動作法は成瀬らによって始められた治療法です。元々肢体不自由児の身体運動上の不自由の改善をねらいとして開発されたものです。読んで字のごとく, 動作をするのが主なセッションなのですが, そのプロセスにおいて, 心理的にも良好な結果を招くことが知られています。高齢者に適応する際には, もちろん身体的なリハビリテーションという意味合いもありますが, もちろんリラクゼーション機能も重要視されますね。

選択肢2  誤り。内観療法は日本独自の治療法で, 吉本伊信が有名です。患者は過去の対人関係における自らの態度や行動を観察, 分析することによって真実の自己を発見することができます。前半部分は限りなく正しいと思うのですが, 「あるがまま」は森田療法の考え方ですね。ホント試験委員の人って森田療法好きですねえ。。もう面倒なのでリンクも貼りませんが, 何度も出題されているのでご確認ください。

選択肢3 正答。「再学習」という表現は気になりますが, 一応これが正解だと思います。

選択肢4 誤り。暴露療法はエクスポージャーとも言われ, ハルの消去理論に基づいた治療法です。「望ましくない反応を引き起こしている刺激状況に, その反応が生じなくなるまでさらすこと」と定義されます。これは行動療法に分類されます。

選択肢5 誤り。心理劇 (サイコドラマ)は, モレノによって体系化された治療法です。演技を通じて理解を深め, 解決を目指してゆくことを目的としています。即興劇を演技することで, 自分自身気づかなかったことを考えて行きます。

今日はここまでー。ふうー共通科目2科目終了ー。

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