第26回–共通科目24

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問題24 ニーズ(必要)に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 欲求は, 本人の発言で表現されなければ, ニーズ(必要)とはならない。
2 充足すべきニーズ(必要)の把握は, 行政や専門職が行い, 本人や家族がこれに関与することはない。
3 社会福祉実践は, ニーズ(必要)のうち, その人が自覚し具体的に支援を求めるものを対象にする。
4 ニーズ(必要)充足のために平等な資源の量を分配すべきであるという考え方を, 貢献原則と呼ぶ。
5 同じ量の資源を用いても, ニーズ(必要)の充足のされ方は個人の健康状態や生活水準などに応じて異なる。

ニーズに関する問題ですね。この問題の選択肢4でも出ています。何度も言いますけど, 同じ回の試験で同じ内容が出るってのは, なんかおかしいと思っちゃいますよね。。

選択肢1 誤り。ブラッドショウのニーズの分類によると, ニーズは, ノーマティブ・ニード(規範ニード), フェルト・ニード(自覚ニード), エクスプレスト・ニード(表明ニード), コンパラティブ・ニード(比較ニード)に分類されます。これらのうち, フェルトニードと, エクスプレスニードは, いわゆる顕在化されたニードですが, ノーマティブニードや, コンパラティブニードは潜在的なニードになりますね。それぞれの説明は以降の選択肢の解説で。

選択肢2 誤り。行政や専門職が行うニードの把握は, ブラッドショウの分類によると規範的ニードに当たります。本人や家族のニードも様々な形で充足していく必要がありますので, これは間違いですね。

選択肢3 誤り。選択肢1と同じ様な問題ですが, 本人が自覚し, 表明しなくても潜在的にどのようなニードがあるのかを考えながら援助する視点が社会福祉実践の中でも大事なことではないでしょうか。

選択肢4 誤り。必要原則貢献原則の違いは理解しておかないといけません。必要度原則や貢献度原則のように「度」をつけて言われることもあります。選択肢は必要度原則の説明で, 社会的ニーズにもとづいて給付水準を決定するという考え方です。日本の場合は, 生活保護や福祉サービスの給付がそれに当たると思います。貢献度原則は, その人が成し遂げた功績の程度に応じて資源を再分配すべきとする考え方です。例えば, 納めた年金額が多ければ, 将来的にもらえる年金が多いなどの制度は不完全だけれどもこちらにあたるのではないでしょうか。

選択肢5 正答。もちろん, 本人の主観的な価値基準によってニーズの充足率は違うと思います。例えば, 福祉の行き届いた国から日本に来ると, 日本の社会保障制度ではかなり充足されていない感じがするでしょうね。

この問題は比較的正答が近かったように思います。今日はここまでー。

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