第26回–共通科目25

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問題25 我が国における虐待及び暴力(ドメスティック・バイオレンス(DV)を含む)に関する法律についての次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1「高齢者虐待防止法」(2005年(平成17年))では, 養護者による高齢者虐待のおそれがある場合に, 地域包括支援センターの職員は, 自らの判断により, 当該高齢者の居所に立ち入ることができることとされている。
2 公益通報者保護法(2004年(平成16年))では, 公益通報をしたことを理由とする公益通報者の解雇を無効とすることが規定されており, 養介護施設における虐待を通報した職員に対してもこれが適用される。
3「障害者虐待防止法」(2011年(平成23年))で規定する障害者とは, 「身体障害, 知的障害又は精神障害があるため, 継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者」のことをいう。
4 「DV防止法」(2001年(平成13年))では, 障害者が配偶者から暴力を受けている場合は, 「DV防止法」に優先して「障害者虐待防止法」が適用されると規定されている。
5「児童虐待防止法」(2000年(平成12年))では, 小学校や中学校の長に, 教職員, 児童, 生徒に対して, 就学する障害児に対する虐待を防止するための必要な措置を講ずることを義務づけている。

虐待も良く出ますねえ。。これこれこれこれも確認しておきましょう。

選択肢1 誤り。うーむ微妙な問題ですが, これは「自らの判断により」が間違いだと思います。第11条では「市町村長は, 養護者による障害者虐待により障害者の生命又は身体に重大な危険が生じているおそれがあると認めるときは, 障害者の福祉に関する事務に従事する職員をして, 当該障害者の住所又は居所に立ち入り, 必要な調査又は質問をさせることができる。」とありますので, その判断は市町村長がするものだと考えられます。これは「できる」規定であることにも注意が必要ですね。

選択肢2 正答。この問題は初めて見たような気がします。こちらを参考にしてください。

選択肢3 誤り。これは難しい。。。条文上は, 「障害者」とは, 身体・知的・精神障害その他の心身の機能の障害がある者であって, 障害及び社会的障壁により継続的に日常生活・社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう」とあります。選択肢は社会的障壁という言葉が入っていません。障害は個人と環境の相互作用であり, これは障害者基本法の中の大きな変更点なのでなんとか気づけた人もいるかなあ。

選択肢4 誤り。これも聞いたことのない問題です。条文を見てもその規定はないので, 誤りだと思います。

選択肢5 誤り。第4条を抜粋します。「国及び地方公共団体は, 児童虐待の予防及び早期発見, 迅速かつ適切な児童虐待を受けた児童の保護及び自立の支援並びに児童虐待を行った保護者に対する親子の再統合の促進への配慮その他の児童虐待を受けた児童が良好な家庭的環境で生活するために必要な配慮をした適切な指導及び支援を行うため, 関係省庁相互間その他関係機関及び民間団体の間の連携の強化, 民間団体の支援, 医療の提供体制の整備その他児童虐待の防止等のために必要な体制の整備に努めなければならない。」

これを見る限り必要な措置の義務づけは国及び地方公共団体の責任ですね。

これも比較的解けた問題かもしれませんが, 出題の意図がいまいちよく分かりませんでした。。今日はここまでー。

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