第27回–共通科目13

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問題13 来談者中心療法におけるクライエントの「感情の明確化」を用いたカウンセラーの応答として, 最も適切なものを1つ選びなさい。 (以下Clはクライエント, COはカウンセラーとする。)
1 Cl:「会社を解雇されたのですが, 次に何の仕事を探せばよいのかが分からない…」CO:「この町にはハローワークがあります。一度行ってみてはいかがでしょうか…」
2 Cl:「当たり前の仕事を当たり前にして, 普通に生きればよいということが分かってきたんです…」CO:「う-ん, なるほど…」
3 Cl:「私の思春期は今お話したとおり最悪でした。先生の思春期はいかがでしたか?」CO:「私にも思春期はありましたが, ここではあなたの思春期についてお話したいと思います」
4 Cl:「母親のことを思い出すと, 涙が止まりません…」CO:「よろしければそれについて, もう少し具体的にお話いただけませんでしようか?」
5 Cl:「私はもう何も信じられません…会社を辞めたいとも思うのですが…」CO:「まだ心の整理がつかず, つらい思いをしておられるんですねえ…」

珍しいタイプの問題ですねー。来談者中心療法は良く出題されます。こちらの問題も確認してみてください。

来談者中心療法はロジャースが有名です。ロジャースはカウンセラーの基本的態度として, 自己一致無条件の肯定的配慮, 共感的理解の三つを挙げました。ロジャースはカウンセリングの技法として, 受容, 感情の反射, 明確化などの技法を提唱し, この技法は現在でもカウンセリング技法の核となっていると言ってもいいと思います。

選択肢1 誤り。これは明らかに誤りですねー。解雇されて苦しい状況の中でこの助言は。。

選択肢2 誤り。これは受容のためのあいずちですね。ちなみに一般的には「なるほど」という言葉は結構無礼に取られることもあるみたいです。気をつけましょう。

選択肢3 誤り。これは焦点を本人に向けるという感じですね。感情の明確化ではないですね。

選択肢4 誤り。これは「話し手の気持ちを受け止め, そっくりそのまま返す」という感情の反射ではないでしょうか。

選択肢5 正答。これが正答で間違いないと思います。

さて, 心理学終了まであと一問!!

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