第27回–共通科目63

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問題63 貧困と格差に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 一人当たり可処分所得を低い順に並べ, 中央値の半分に満たない人の割合を相対的貧困率という。
2 ジニ係数は, その数値が小さくなるほど, 所得分布が不平等であることを表す。
3 タウンゼント (Townsend, P.) は, 栄養学の観点から科学的, 客観的に貧困を定義する絶対的貧困の概念を主張した。
4 貧困の再発見とは, 貧困線付近の低所得世帯より公的扶助世帯の方で可処分所得が上回ってしまい, いつまでも公的扶助から抜け出せないことをいう。
5 生活保護世帯の子どもが成長し, 再び生活保護世帯になるという貧困の連鎖については, 日本では確認されていない。

貧困に関する問題です。この問題とかなり近い内容です。前回は現代社会で出題されました。何度でも言いますが, 科目を分ける意味が分からないですね。科目0点というくくりがある以上はそれぞれの科目において出題される内容はしっかり吟味して欲しいと思います。それができないなら総合得点だけで合否を決めて欲しいなあ。

選択肢1 正答。OECD(経済協力開発機構)の基準では, 可処分所得が全人口の中央値の半分未満の世帯員を相対的貧困者としています。国によって微妙に計算法は異なっているみたいですがこれで間違いないと思います。

選択肢2 誤り。ジニ係数は社会における所得分配の不平等さを測る指標で, 分布が平等であれば0に近づき, 不平等であれば1に近づきます。厳しい問題ですが, 過去問を覚えていれば解けたと思います。

選択肢3 誤り。タウンゼントは貧困を相対的剥奪の観点から定義した人です。この相対的剥奪は, 人が抱く不満は, その人の置かれる境遇の絶対的な劣悪さによるのではなく, 主観的な期待水準と現実的な達成水準との格差による, という考え方です。自分コピペでした。

選択肢4 誤り。貧困の再発見とは, 調査によって貧困問題が残存していることが明らかにされ,貧困問題に再び関心をもつようになることです。選択肢は何の説明だろう??貧困の連鎖かなあ??

選択肢5 誤り。厚生労働省「生活支援戦略 中間のまとめ」では, 「生活困窮者が経済的困窮と社会的孤立から脱却するとともに, 親から子への「貧困の連鎖」を防止することを促進する。」とあります。もちろん日本においても貧困の連鎖は確認されていますね。

今日はここまでー。

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