第26回-精神専門1

Pocket

さて, 2月1日になりました。本年度も一日一問を目標に解説をしていきます。さぼる事もあるので, 7月くらいの完了を目指してがんばります。

問題 1 精神医学に貢献した人物に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 野口英世は, 進行麻痺の解明に貢献した。
2 森田正馬は, 司法精神医学の発展に貢献した。
3 呉秀三は, 電気けいれん療法の普及に貢献した。
4クレペリンは, 精神分析療法を創始した。
5シュナイダーは, 精神障害者の処遇改善に貢献した。

選択肢1  これが正答だと思います。精神医学の世界で野口英世の話をあまり聞くことがないので, なかなか選びにくい選択肢だったと思います。野口英世は梅毒の研究で有名ですが, 梅毒が進行すると脳や神経の組織が壊され, 精神障害が起こります。ちなみに, 当時の精神科病院は2割が進行麻痺で占められていたそうです。

選択肢2  誤り。森田療法は去年3カ所も出題され, 今年も出題されています。詳細はこちらを参考にしてください。日本における司法精神医学の有名人ってだれだっけかなあ??いろいろ探したけど, 出題者の意図する人物は不明でした。呉秀三かなあ。。

選択肢3 誤り。呉秀三も頻出の問題ですね。彼は日本のピネルと呼ばれ精神障害者の開放的処遇に尽力しました。松沢病院加藤普佐次郎とともに作業療法の普及にも努めています。呉秀三は, 日本の精神科医療の中のキーマンになっているので, 昨年のこちらの問題もチェックして置くといいと思います。

選択肢4 誤り。クレペリンは, 二大内因性精神病として早発性痴呆躁鬱病を定義した人物です。精神分析療法の創始者はフロイトですね。これは確実に選択肢から外せる問題だと思います。

選択肢5 誤り。シュナイダーは心理学的立場から, 統合失調症の一級症状として自我障害を中心とする症状をまとめた人物です。昨年度の問題にも出題されているので, この選択肢は外せた人は多そうですね。こちらを参考にしてください。
この設問は, 精神医学に関わる人名問題です。設問の内容は比較的簡単だったのではないでしょうか。この問題は確実に解いておきたいところですね。では一問目終了ー。今日はここまで。

 

 

カテゴリー: 第26回精神専門科目, 精神疾患とその治療 パーマリンク