第26回-精神専門43

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問題 43 H精神保健福祉士は, 2週間前に再入院した統合失調症のJさん(29才, 男性) の母親との面接で, 次のようなことを聞いた。入院前, 母親は「1日も早く復職できるように頑張りなさい」と毎日のようにJさんを励ましていたらしく, 「病気に甘えているとしか思えない。なぜいつまでもごろごろしているのか」と言っていたとのことであった。また, 母親は「私の育て方が悪くて病気になったのでしょうか」といらだちと不安を覚えている様子であったため, H精神保健福祉士は, 母親にある提案をした。
次のうち, この面接の時点でH精神保健福祉士が提案した母親への支援として, 適切なものを1つ選びなさい。
1 家族心理教育プログラムへの参加
2 訪問看護の利用
3  元気回復行動プラン(WRAP)の紹介
4 ホームヘルプサービスの利用
5 地域活動支援センターⅢ型の利用

短文事例問題ですね。選択肢のほとんどは, 間違いではありませんがその中でも最も正しいものを選べという感じでしょうか。

選択肢1 正答。こちらの問題が参考になると思います。事例では, 高EEにならざるを得ない状況で, 家族自身が苦しんでいることが明らかになっているので, 家族心理教育プログラムへの参加を薦めるのが適切だと思います。

選択肢2 誤り。精神科訪問看護とは, 地域で生活している精神障害者が, 家庭や地域社会で安心して日常生活を送ることができるようスタッフが訪問し, 相談や必要な支援などを行うものです。事例のケースでは, 本人が将来的には使用する可能性もあると思いますが, 家族に対する支援が直接の目的ではありません。

選択肢3 誤り。WRAP (ラップ)は近年注目されている取り組みなのでよく覚えておきましょう。元気になり, 元気であり続け, なりたい自分になるための, 自分でつくる自分のための行動プランで, アメリカの精神的な困難を持つ方たちによってつくられたものです。こちらのページが参考になりました。これも母親ではなく, 本人に対してのアプローチですし, もう少し後の段階でしょうね。

選択肢4 誤り。ホームヘルプサービスは, 障害者総合支援法の介護給付に規定されているサービスで, 自宅で, 入浴, 排せつ, 食事の介護等を行うものです。これも本人に対する支援ですし, 事例には当てはまらないと思います。

選択肢5 誤り。地域生活活動センターの型については昨年も出題されていました。こちらを参考にしてください。Ⅰ型 , Ⅱ型, Ⅲ型に限らず本人が将来的に利用する場合はありますけど, 母親に対する援助には当たらないでしょうね。

今日はここまでー。

 

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