第26回–共通科目22

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問題22 社会的排除と社会的包摂に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 社会的排除は社会関係や活動に参加できない状態を意味するもので, 排除に至るプロセスを問うものではない。
2 貧困は, 生活資源の欠乏から生ずる生活困難を意味するものであって, 社会関係上における人々の不利といった社会的排除とは無関係である。
3 今社会環境のあり方が, 人々のケイパビリティを制約したり, 社会的排除による社会参カロの機会の剥奪を生むことがある。
4 発達した福祉国家においては, 人々は, 生活保障のための諸制度から排除されることはない。
5 社会的包摂政策は, 労働への参加など, 社会参加の機会を促進するためのもので, 所得の保障は含まない。

新しい科目です。最近また元気がなくて少し更新が滞りがちです。暑いからかなあ。

社会的包摂については, 今年の問題の専門科目のこちらこちらも参考にしてください。大事な概念だとは思いますが, 一回の試験に三カ所も出るってのは。。。まあ内容は違いますけど。。この問題は「ひとりひとりを包摂する社会」からの抜粋だと思いますが, これを覚えておかなくても解けるサービス問題だと思います。

選択肢1 誤り。これはなんとなく選択肢から外せそうな日本語ですね。社会的排除に至るまでのプロセスはその対象者によって異なりますし, そのプロセスについて検討しない限り解決には結びつきません。

選択肢2 誤り。これも「無関係」とは言いきれないと思います。貧困であれば結果として教育の機会を失ったり社会関係の構築が不利になります。これは社会的排除の1つの側面ですね。

選択肢3 正答。ケイパビリティは, 経済学者のセンが作り出した造語で「潜在能力」などと訳されます。昨年度もこの問題で出題されて, これさえ知っていれば解けた問題なので今年もまったく同じ形式ですね。これは設問の通りです。

選択肢4 誤り。これは明らかにあやまりです。公的なサービスで満たされるニーズは限定的であり, 地域社会においてはマイノリティが社会的排除の対象となりやすいことは「新しい地域福祉のあり方研究会報告書」の中でも指摘されています。

選択肢5 誤り。これも明らかに間違いですね。就労の場所のみを促進しても一定の所得が保障されなければ社会的排除の問題は解決しないと思います。

今日はここまでー。やっぱりこの科目はきつい。。

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