第26回-精神専門47

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問題 47 精神保健福祉士の地域を基盤とした支援に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 地域における精神科救急サービスのシステムとして, 包括型地域生活支援 (ACT) チームを活用する。
2 精神障害者と市民との橋渡しを行う存在として, 精神保健福祉ボランティアの養成を行う。
3 専門職による支援を補完するものとして, ソーシャルサポートネットワークを活用する。
4 谷中輝雄が提唱した「ごく当たり前の生活」を実現するために, 一般的な生活習慣の獲得を目指したプログラムを実践する。
5コミュニティソーシャルワークの視点に立って, 地域の問題点を明らかにする地区診断を行う。

おお。これもちょっと新しいタイプの問題ですね。最後の2択でかなり迷いました。

選択肢1 誤り。ACTは何度も出題されていますので説明は割愛します (こちらこちらこちら), 今年だけでも何回目だろう。。精神科救急サービスとは異なりますね。

選択肢2 正答。地域のボランティアは, インフォーマルサービスではありますが, ボランティアに携わる人はもちろんその周囲の人への啓発にも役立ちます。ボランティアの育成は精神保健福祉士のコミュニティワークの1つと言えると思います。

選択肢3 誤り。ソーシャルサポートネットワークとは, フォーマルなサポートやインフォーマルなサポートを組み合わせたネットワークのことです。両者の関係は同列であり, 専門職の支援を補完するために使うものではありません。

選択肢4 誤り。谷中輝雄については, 昨年のこの問題の解説にちょっと言及しています。彼のいうごく当たり前の生活とは, 障害者が健常者と同じ能力を持つために訓練するという意味ではなく, 障害や生活のしずらさがあっても当たり前に暮らせる地域社会を作るという意味だと思います。

選択肢5 誤り。これは地域診断と同じ意味で使っているのかなあ。。地域診断は, 対象となる地域のきめ細かい観察や既存の統計を通して, 地域ごとの問題, 特徴を把握することを地域診断といいます。 これは問題点を把握することというよりも, 地域の特性やストレングスを発見する視点が大事なのではないかと思います。

まだまだ, 先は長い。。今日はここまでー。

 

 

カテゴリー: 第26回精神専門科目, 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 パーマリンク