現在の在学生が、JRの駅構内で見つけたものを写真に撮ってきてくれた。
コカコーラのトリプルXという商品のポップだ。
この写真を見て、どう思うだろう??
多分こころの病気に関わる人は、当事者にせよ、家族にせよ、援助者にせよ、なにか違和感を感じたと思う。
一言に「統合失調症」という言葉でもいろんな人がいろんな感情をもつのだと思う。
僕自身が最初にこの写真を見たときの印象は、なんとも表現できない。
ただ、「違和感」だったのだ。
授業の一部を使って学生から意見をもらった。
皆いろいろ意見を出してくれた。
「そもそも科学的根拠はあるのか?」
「統合失調症は、夜遊びとかと同列に扱えるものなのか?」
「病気に苦しんでいる当事者の気持ちはどうなのか?」
「ある意味では、病気を隠すものではないという考え方が定着してきている」
うむむ。いろいろ感じるものはあるよね。
例えば、
「うつ病になった」という言葉一つとっても世代や環境によってその意味は大きく変わると思う。
僕自身はまだ30代だが、50代の人にとっての「うつ病になった」と20代の人にとっての「うつ病になった」には大きな違いがあるのは実感している。どんな違いかは言葉にできないがよくも悪くもだ。
精神分裂病が統合失調症という呼び名に変わったのはなぜなのか。もちろん言葉の響きもあると思うけど。
例えばこのキャッチコピーが「糖尿病に効果が期待されます」だったら僕はこんなに違和感を感じただろうか。もしかすると、差別的な感情を持っているのは専門職である自分自身なのかもしれない。
批判するだけではなく僕は知りたかった。コカコーラ社がどのような経緯でこのフレーズを使ったのか。企業にとってこのフレーズはメリットがあるのだろうか?
学生から応援してもらって僕はコカコーラ社に電話してみた。
「批判ではなく、その経緯が知りたい。それを考えるきっかけにしたい」というような内容だ。
解答まで3日間待った結果が今日帰ってきた。
「すいません。ご指摘ありがとうございます。一部地方でのみ出しているポップで本社では把握していませんでした。病気を持たれているみなさんの気持ちを考えると浅はかな内容だと思います。速やかに撤廃するように指示しました」とのこと。
どうやらこういうポップは地方に応じてある程度フレキシブルに作成しているということらしい。
今回のトリプルXでは「楽しむ」ということがテーマだったらしく、そういう部分にはあまり気を使わなかったということだそう。
例えば奈良だったら「鹿も元気になります!」みたいなご当地ポップを作ったりできるようなシステムだったらしく、本社ではそこまで管理してないということだったんだって。
対応してくれた人の対応はとても丁寧だった。だけど、明らかにタブーに触れたくない、オオゴトにしたくないという態度が見えてきた。少なくても、あのポップを印刷するためにある程度のコストを掛けているはずなのに、 1教員の電話一本ですぐに各店舗に通達するのは過敏な対応だと思う。
やはりまだまだ差別の根は深いのだ。
僕は一般の人がどう考えているか知りたかった。
少なくとも、今の日本では「僕は統合失調症です」ということには結構勇気がいることだ。
僕が援助していたクライアントにも、職場に病名を隠すために昼の薬を飲まなかった人もいた。
病気を隠して夜勤している人もいた。長期入院のクライアントの家族には、血縁者に統合失調症のクライアントがいることで、縁談が破談になったという人もいた。
今回のポップそのものはどうかと思うけど、隠して差別を受けなくてもいい社会ができるその過程であることを期待していた。
うまくまとまらない。みんなどう思う?
Burn out







